放射線療法② 型を作成
紹介していただいた大学病院の放射線科の教授は、きりっとした女性の先生でした。
先生は、PETの結果をパソコンに表示するのに時間がかかる、とか言いながら放射線療法の手順を説明してくれました。いえその前に、放射線療法をやるかやらないかの判断があるんじゃないでしょうか?と聞いたら、必ずやるとのことでした。
悪性リンパ腫は再発する可能性がそれなりにあるので、放射線をあてて、まだ残っているかもしれない根を根絶やしにする必要があるんだとのことでした。また、悪性リンパ腫は放射線によく反応するので、ダメ押しでもやっておいたほうがいいそうです。
なんだよアザラシ先生、やるって決まっているならすぐに開始したかった、6月前半の待ち時間をかえしてーー。
私は、1回1.8グレイ×17回=30.6グレイをあてるそうです。1日1回、月~金曜日までで週5回、3週間と2日間、毎日病院に通うことになります。また、私専用のシェルと言うお面みたいなのを作らなければいけなくて、それは計測してからできるまで通常2週間、早め対応しても1週間だそうです。
1ヵ月超えるのかー!前回検討したときは、5日~10日と聞いていたので、その程度だと思っていました。
副作用は、口内炎、喉が痛い、口が渇くことが想定されるそうです。
食事は、お酒、辛いもの、熱いものは食べちゃだめです。これは口内へ影響があるからですね。うがいも頻繁にしてくださいと言われました。
シェルの計測は、早ければ今日でも予約入れますよとのことなので、お願いしました。
4時間待って、地下3階の放射線治療室へ行きました。
地元総合病院でもPET検査の病院でも思ったのですが、病院の建物って後から後から建て増ししていて、迷路みたいですね。妙な段差のある廊下を抜けると、近代的だった院内が昭和の映画に出てくるような景色に変わって、うわなんだってなります。
この大学病院もご多分に漏れず、受付や診察したところは真ん中吹き抜けで太陽光がたくさん入ってガラス張りのエレベータが設置されている新しい建物なのですが、道に迷いながらたどり着いた地下3階へ降りられるエレベータがあるあたりは古めかしくて窓がなくエレベータも業務用エレベータみたいながっしりした分厚いドアがついている昇降機でした。
放射線治療室は携帯の電波が届かないように制御されていました。
看護士さんがこれからの説明をしてくれました。
「専用のシェルをつくりますが、閉所恐怖症だったら目のところも開けますけどどうしますか?」、いいえ、大丈夫です、「シェルの位置合わせのために、お顔にマジックで印をつけます」、え?「その印は治療で使いますので、印が取れないよう、治療が始まるまでの2週間はお顔は石鹸で洗わないでください」、え?「印がとれないよう、メイクもしないでください」、え?この看護士さん、私と同じくらいの年齢の女性なのですが、超真面目な顔でとんでもないこと言うなあ。顔にマジックで書くって、宴会の罰ゲーム?そんなの電車に乗る前に落とすに決まってるじゃない。仕事で人と会うのですが、どうしても顔に書かないといけないんですかと聞いたら、技師さんと相談して「お胸のところだけで大丈夫です」だって。
地元総合病院は患者の社会生活を気にしてくれたのですが、さすがここは大学病院。医療技術は最新だけど、患者は実験用マウスのように好きに扱うものだと思ってる。
放射線室に案内されました。
技師さんに「金属類、ピアスや歯を外してください」と言われました。歯?歯を外す?虫歯の銀歯を外すのはどうやればと一瞬思ったのですが、入れ歯のことだったようです。どんな年齢を想定しているんでしょうか。
帽子もと言われたのでウィッグも一緒にとったら、「ああ、ウィッグだったんですね」ってちょっとびっくりしていました。化学療法後の人はあまり来ないのかな。家族以外の人にこの坊主頭をさらすのは初めて。少し抵抗感あります。
空気の入ったマットの上に寝ました。これは、このまま私の人型で固まるんだそうです。
専用枕を設置し、シェルで私の顔型を作りました。シェルは網目になっているプラスチックぽい素材なのですが、温めたそれを3人がかりで私の顔に押し付けていました。これは専用枕にガチャンと留めるようになっています。これで、顔の向きや角度が一定となり、初回で設定しておけばいつでも同じ個所へ照射できる、ということなんです。
胸元にシェルの位置合わせのための印をマジックで書かれて黒いテープが貼られました。
シェルが網目になっているので顔に跡がついてしまったのですが、顔にマジックの看護士さんが「時間がたてば治りますから」って言ってた。そんなの言われなくてもわかるわい。
本日の治療費
1000円
化学療法(抗がん剤)の副作用
指先の痛みは違和感程度におさまってきた
お酒呑みたくなってきた
髪はごま塩頭と言えるほどに伸びてきた。嬉しい。
悪性リンパ腫の治療メモ
放射線治療とは。
放射線をがん細胞にあてて死滅させる治療法です。
必ずしも効果があるわけではないのですが、こと悪性リンパ腫に関しては高い効果が認められているんだそう。詳しくはこちら。
http://www.gan-info.com/70.html
日本放射線腫瘍学会が認定病院の一覧を出していました。ここも認定施設として載っていました。
https://www.jastro.or.jp/recognition/center_area.php?area=6
グレイとは。
放射線の単位です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4_(%E5%8D%98%E4%BD%8D)
1回2グレイで月曜日から金曜日まで週5回治療するのが基本だそうです。
がんを治す治療の場合は60~70グレイ(6~7週間)が一般的なんだって。
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