放射線療法による味覚障害まとめ

私は、扁桃腺から悪性リンパ腫を発症しました。
そのため、化学療法(抗がん剤)としてR-CHOPを3回実施して体内の悪性リンパ腫を退治した後、再発防止として扁桃腺に放射線をあてました。

口の中に放射線をあてるので、「副作用として唾液が出づらくなって口の中がべたべたして味覚がぼんやりする」という味覚障害は想定されていました。ところが、「放射線がとおることにより舌の上のざらざら『味蕾』が壊れてしまって味がわからない」という味覚障害を発症してしまいました。

味覚障害の発生とその回復についてまとめました。

日付 治療 最初の放射線療法からの経過日数 最後の放射線療法からの経過日数
6/21 放射線療法開始 0日
7/7 放射線療法13回目 味覚障害に気づく 16日
7/8 放射線療法14回目 味覚障害へのとまどい 17日
7/11 放射線療法15回目 味覚障害の診断 20日
7/13 放射線療法17回目 放射線療法終了 22日 0日
8/13 少し味がわかるようになってきた 53日(1ヵ月23日) 31日(1ヵ月)
10/1 味覚が戻った 102日(3ヵ月10日) 80日(2ヵ月18日)

 

視覚が失われたら、聴覚が失われたら、という想像はしたことがありますが、自分の人生で味覚が失われる日が来るなんて思ってもみませんでした。
 
・だんだん分からなくなっていく
想定されていたとおり唾液が出づらくなっていつも喉が渇いている状態だったため、
「お醤油を足しても味が濃くならない気がする」
という違和感は感じていましたが、
「塩をなめても砂をかんでいるみたい」
というとこまで味覚が壊れていることに気づくのに時間がかかりました。
 
・徐々に回復する
回復していくときもぼんやりした感じで、
「あ、舌に塩を検知できる箇所ができた」
っていうのが徐々に
「舌の上で転がした時、まだらに味がわかるところがある」
になって、だんだん
「お、塩と醤油の違いがわかるじゃん」
という風に戻っていきました。
 
・熱さにも過敏になる
口の中が敏感になっていたようで熱いものが食べられませんでした。
特に猫舌でもないはずなのに、普通のお味噌汁が「あちちっ」ってなっていました。
人気ラーメン店のラーメンとか、ぜんぜんムリでした。
 
・塩分の心配
人の身体に必要だけど、取りすぎれば毒となる「塩」。
普通に美味しく感じる量が適量のはずですが、いかんせん味覚が分からないので、全く食べなくても過剰摂取でも気づくことができません。
この汗のかく季節に、塩分不足でだるくなるのは避けたいところでした。治療のせいで十分体力不足なんだからー。
途中から仕事が忙しくなってきた影響もあって、コンビニに頼っていました。これなら、塩分量が少なすぎることも、まずないでしょう。
 
・分かる味覚と分からない味覚
味覚の5大要素のうち、失われやすい味覚は「甘味」「塩味」「うま味」、失われにくい味覚は「苦味」「酸味」だそうです。
苦味は毒を検知する能力であり、酸味は腐敗を知る力なので、人が自然の中で生命を維持するには大切な能力、ということですね。

だーけーどー、私は大自然の中で自給自足しているのではないのーー。私が欲しているのは「甘味」「塩味」「うま味」なのーー。
回復期に食べたコンビニの冷やし中華、「味がないのに酸っぱい」ってどういうことーー。
 
・風味は変わらない
味蕾が壊れて味覚は失われましたが、嗅覚は正常。だから風味としての味は通常通りでした。
唾液も出づらくなっていたので汁物が食べやすく、「出汁をきかせた味噌味のスープご飯を冷ましたもの」が自炊定番メニューになっていました。

あ、ビールは美味しく飲めました。だって、味より「香り」と「喉越し」が重要視される飲み物ですからねwww




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1件の返信

  1. I enjoy the efforts you have put in this, thanks for all the great posts. Fara Thor Lynch

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